吉永小百合の魅力とは

吉永小百合さんというと、日本を代表する大女優さんだ。筆者は世代ではないものの、彼女の名前だけなら知っている、それは例え吉永さんが出演している映画作品を見たことがない人であってもだ。国民的女優であるのに高嶺の花であり続ける吉永小百合さん、その魅力は何処にあるのか、このサイトはそんな吉永小百合さんについて考察していきます。

北のカナリアたちを見る

湊かなえさん原作の映画

続いて見ておきたい作品として挙げるのは、2012年11月に公開された作品でその年にやはり話題を博した作品として知られている『北のカナリアたち』という作品について見ていきたい。吉永小百合さん主演もそうですが、脇を固める役者陣が実はとっても凄い。主要人物だけ上げると、

このような方々が出演しているのです。全員演技派として知られているだけあって、それぞれの役者さんを好んでいる人たちが見たとしても十分満足できる内容だ。

また吉永小百合さんの映画にしては随分と印象が違う映画とも言える。湊かなえさんといえば日常の中に生まれるミステリーさを表現することでもよく知られる作家さんですが、今作においてもある人物の死亡により分かたれた教師と教え子たちが20年後にある事件をきっかけに再会することになるのだ。

当時は注目作としても紹介された北のカナリアたち、その概要を紐解いてみよう。

作品概要

今作の特徴として挙げられるのは、1つの事件を複数人が同時に経験すると『個々により異なる捉え方をしている』ことを明確に表現しているのだ。原作となった湊かなえさんの『二十年後の宿題』では、女性教師とその夫、そして6人の小学生たちがある事件をきっかけにして、それぞれ20年間どのようにしてみているか、その違いが明らかにされているのだ。

ただ原作の内容に忠実というわけではなく、映画版は原作とは違った独自テイストで物語を展開しています。そんな映画のあらすじを紹介しよう。

あらすじ

主人公の川島はるは小島で教師をしていた。教え子に小学生6人で合唱を教えるなどして交流を深めていきます。その中にはるの夫である行夫もいたが、ある時事件が起こってしまう。海辺で行っていたバーベーキューの折、6人の小学生の内の結花が緊張からソロパートが歌えなくなってしまったことから気晴らしを兼ねて行っていた時に、海に誤って落ちてしまったのだ。それを行夫とはるが助けに向かい、結花は助かるものの行夫は水死してしまう。

突然の死にはるは慟哭を挙げ、生徒たちも突然直面した人間の死にショックを隠せなかった。やがてはるは心身ともに疲れていたことから島から離れることを決意する。その時、教え子の一人だった信人に石を投げつけられたことから、自分のしてきたことなど意味はなかったとますます追い込まれていった。

それから20年の歳月が流れ、務めていた図書館も定年退職したはるの下にある時警察が訪ねてきた。身に覚えのないことに動揺するはるだが、警察が語り始めたのはかつての教え子である信人が殺人を起こした容疑から指名手配されており、住んでいた部屋からはるの連絡先が見つかったとのこと。

どうしてそんなことをしてしまったのか、その真意を確かめるためにはるは20年以上離れていた島へと戻り、かつての教え子たちと再会して過去と現在におけるそれぞれが負った傷と向かい合うのだった。

1つの事件に対して

この作品のテーマとしては、とある事件に遭遇した際に必ずしも人と同じように見えるかどうかといった違いだ。今作においても突然の行夫の死は6人の教え子たちにそれぞれトラウマを遺してしまいます。はるはそのことにまで構っていられる余裕なく、教え子たちを半ば見捨てる形で島から離れてしまった。残された子どもたちは各々昇華できない、自分の中で納得出来もしないあの事件をどう見なすか、それぞれの視点で描かれている。

誰もが事件のことを責任に感じている、しかし事件のせいで世界というものを極端に恐れるようにもなってしまった物もいる。一方で信人は石をぶつけたのに、どうして自分に固執するのかをはるは気がかりに思う。その真意は他でもない、誰よりもはるに感謝する気持ちがあったからこそ、最高の晴れ舞台に先生を招待したかったという気持ちが強かったのです。

痛みは背負い続けて

今作の中で一番重みに感じていたのは信人といえるでしょう。事件のせいではるは島を去るまでに追い込まれていたのに気づきもしないで、彼女に石をぶつけてしまいます。しかしそれでも自分を認めて、自分と真正面から向かい合ってくれたことを信人は忘れられなかった。事件を起こす直前、結婚式にハルを呼ぼうとしていたために住まいに連絡先が残されており、それが警察を介してはるに過去と向かい合う機会を改めて与えたのです。

色々な人が1つの事件を目撃し、それに対して痛みを背負い続ける物語。咎をどう受け止めて、どう解消していくか、そして自分の中で昇華出来るのか、この作品はそんな命題を突きつけている。

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